自分の病気を調べる
緑内障
緑内障は見える範囲(視野)が欠ける病気で、中高年の失明原因の1位です。
現在の医療では一度失われた視野の改善は困難です。
現時点で緑内障に対する最善策は以下の3点です。
- ①緑内障を早期に発見
- ②進行を遅らせる治療をすみやかに開始
- ③治療を継続
自覚症状がない状態で点眼治療を継続することは、本人のモチベーションを保つことが難しいのですが、治療を中断すると視野障害は確実に進行するので可能な限り治療は継続できるよう頑張ってください。
当院では緑内障の早期発見に重点を置いた診療方針をとっており、受診された方みなさんに簡単なスクリーニングチェックを行っています。
40歳以上の20人に1人が緑内障と言われていますが、緑内障は初期の段階ではまったく自覚症状がありませんので、現在の自分の状態が気になる方は診察時にお気軽にご相談ください。
緑内障を見つけることは高血圧を見つけることと似ています。
血圧180の人でも、その状態を放置して脳出血など重大な病気が起こるまでは元気です。
緑内障の人も自覚症状が現れるまでは支障を感じません。
脳出血も視野障害も出現してしまったら後戻りはできませんが、そうならないように血圧あるいは眼圧をコントロールすることで一生自覚症状のない状態で維持することを目標にします。
もし、緑内障と診断された際も早期であれば自覚症状がない状態で維持することもできますので必要以上に緑内障を怖がる必要はありません。
緑内障の治療
眼圧のコントロールをすることが緑内障の治療の基本にして全てです。
治療は大きく分けて3つに分けられます。
- ①点眼治療
- ②レーザー治療
- ③手術
①点眼治療
点眼治療は最も基本的な治療です。昔と比べ点眼薬の種類も増え、1剤で眼圧のコントロールが不十分であれば数種類の点眼薬を組み合わせて治療ができます。
問題点は、点眼を忘れてしまうとその間は薬が効いていない状態になるので緑内障の進行を最小限にするには確実に毎日点眼をする必要があります。
②レーザー治療
レーザー治療は目にメスを入れることなく眼圧を下げる治療です。効果が出る確率は70%程度ですが、点眼と違い一度レーザー治療を行うと長期にわたって眼圧の改善が持続します。また、複数回繰り返して受けることができる治療のため、効果が弱まってきた際は再度レーザーにより眼圧下降させることも可能です。加入している医療保険によっては外来手術給付金が支給されることもあり、経済面でもメリットがあります。
③手術
点眼薬やレーザー治療で眼圧のコントロールが不十分な場合のみ適応となります。目の中の水を目の外に排出する交通路を人工的に作るので、術後は眼内の感染など重篤な合併症のリスクがあります。
緑内障の治療方針
眼圧を下げることが緑内障の唯一の治療法ですが、いくつ以下になれば必ず大丈夫という数値はありません。
眼圧の目標値はそれぞれの患者さんで異なり、視野検査や網膜の厚さの検査(網膜光干渉計:OCT)で病状の進行状況を見ながら眼圧コントロールを行います。